
profile

ジャンボ
漁師歴23年
埼玉県出身
主な漁:たて縄漁
高校の先生の紹介で卒業後漁師へ。
2017年に独立して自分の船を持ちました。
乗り子の時に結婚して子ども2人の4人家族。
「お前に合う仕事があるぞ」
漁師になって23年になります。
小笠原母島漁協に来たきっかけは、高校の先生の紹介でした。私は埼玉出身なのですが、通っていた高校が制服もなく決まりごとも少ない自由な校風のところで、高校時代は勉強そっちのけで釣りにハマっていたんですよね(笑)。
将来のことなんて特に考えていなかった、高校3年の夏。僕と同じように大の釣り好きの先生が、いきなり「お前に合う仕事があるぞ!」と言い出した。すでに面接の予約を入れてきたというんですよ。
それが、小笠原母島漁協でした。勉強も好きじゃないし、じゃあ行ってみるか……。という感じで、1カ月の職場体験に行きました。
初めての小笠原。「また来たい」と思えた
小笠原には、フェリーで24時間かかります。「めちゃくちゃ遠いなあ……」と思ったけど、島に着いてみると、海がとにかくきれいで。
最初の1カ月は民宿に住み込みながら、漁師の仕事を体験しました。宿を手伝ったり、漁師の縄を巻いたりして、島の暮らしを肌で感じました。
釣り好きとしてはもう、刺激しかなかったですね(笑)。魚がたくさん獲れるし、夢のような場所でした。
島の人たちものんびりしていて、空気が合う感じがしました。人ごみが苦手だから、この島の静けさや自然がすごく居心地よかった。
1カ月のあいだに「ここなら、また来たいな」と思えたんです。それが漁師としてのスタートでした。
最初は親方の船で「乗り子」をして、ここで結婚して、子どももできて。自分の船を持って独立してからは6年になります。船の名前の「恭紋丸」は、ふたりの子どもから1文字ずつとりました。

漁に正解なんてない でも「海」は応えてくれる
基本的には、海が荒れていなければ漁に出ると決めています。仕事ですから。
「恭紋丸」は中古の船を買って改造したもので、築30年近くになります。エンジンを載せ替えたり、メンテナンスを重ねながら使っています。
一人乗りで7トン、中型クラスの船。購入価格は約2000万円だったかな。覚悟が必要でしたね(笑)。
場所は近いときで船で1時間半、遠いと半日かかることもあります。だいたい60マイル(約96キロ)くらいの範囲で「このへんに魚がいるだろう」と見当をつけて船を出して、また別の場所へ移動して……という繰り返し。無線や電話で仲間とも連絡を取りながらも、最終判断はいつも自分です。
漁の醍醐味は、自分の考えた通りの場所で魚が獲れた瞬間ですね。
潮の状態、海水温、流れ、季節…いろんな情報をもとに「ここだ」と思った場所で魚が食いつくと、最高に気持ちいい。
インターネットの潮流予測や海面高度の情報も見て、仲間とも情報交換しながら「じゃあこの海域に行ってみよう」と決める。でも、それでも当たらないときは当たらない(笑)。漁場にいかないと魚がいるかわからないですから。
正解なんてなくて、半分は経験、半分は好みみたいなところがある。難しい仕事だし、不思議な仕事だと思います。
毎日働く、1カ月休む
魚の値段は季節や市場の相場で変動します。たくさん獲れると値段が下がるし、希少なときは上がる。オナガやハタは高値で取引されますが、メカジキはサイズが大きい分、収益が出やすい。定価がないという世界です。
だから、収入を安定させるためにも毎日漁に出たほうがいいんです。天気が良ければ海に出る! 超シンプルです。
でも、休むときはしっかり休みますよ。
家族や親族の行事にも出ますし、授業参観にもちゃんと出ます。子どもの学校の休みに合わせて、1カ月くらい長めに休暇にして、内地に旅行に行ったり。
この仕事は「やるときはやる」、「休むときは休む」のメリハリが大事です。全部、自分で決められますからね。
高校3年のとき、「お前に合う仕事は漁師しかない」と言ってくれた先生に感謝しています。島に来て何もわからない私に、漁の技術から、マナーや人との関わり方、島での暮らし方まで、すべてを教えてくれた親方にも。

漁師を目指す君へ
船主になると、大変なことも多いけど、頑張った分だけ見返りがあります。
お金も、自由な時間も。何より、自分の力で海に出て、魚を獲る喜びがある。
釣りや自然が好きな人なら、この仕事は絶対に向いてると思います。
いまでもプライベートで「釣り」をしてるかって? もちろんしてますよ。漁師の「稼ぐ釣り方」を知ったので、自分のための釣りは純粋な「遊び」になりました(笑)。
proud
家族の自慢!
ぱぱが漁師で良かったこと
楽しかったこと
・船で遊びに行って船釣り、磯遊び、シュノーケリングをすることもできます。僕は船首から飛び込むのが好きです。
・水揚げできない小さな魚は家で食べることもあります。飽きるほど魚料理が食べられます。
・パパが漁師だと他では経験できないことを小さいうちから経験することができます。
(小5の次男より)





